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UO回顧録@桜 その7

2011年1月22日  2011年1月22日 
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   第七章 ~好奇心~

 育てている最中のLizaだが、トレハンテイマーを考えていた。魔法100・テイム110・動物学100・獣医90・鍵開け100・地図解読100・釣り100。エルフの女キャラであった。Kanamiで痛い目に合っていたのに、なんで再び女キャラを選んだのか、今となってはわからない。メイジ用の女キャラ専用装備は当時なかったはずだ。もしかしたらKanamiのリベンジの気持ちもあったのかもしれない。ただし、Lizaのプレイヤーは男だとわかるよう、一人称は「俺」として発言するよう心がけていた。
 このLizaが育ちきりクーシーを扱えるようになると、ギルドシグマにも同行したこともある。メイジの使い勝手はそれほど抜群だったのだ。

 ある日mamiさんから新ギルドFTTBへの新人を紹介された。名前は、ここではKさんとしておこう。もう名前も忘れてしまった。彼女はUOは初心者だったが、エバークエストからの移住者であった。
 それを聞いて、Lizaはジャックさんと話し合った。実のところ、mamiさんの勧誘についていく人などいないと高をくくってたのだ。このまま我々が何もしないと、最悪KさんはUOやめてしまうかも……。そんな思いが2人の中にあった。取れる手段は1つしかなかった。
 翌日、FTTBのタグを付けたLizaとジャックさんがいた。KさんがUOに慣れた頃に全てを話してギルドシグマでも他のギルドにでも移籍させようと算段していた。mamiさんと再び関わることになる瞬間だった。
 この時、Kさんを見捨ててでもmamiさんを無視していればその後の流れは変わったはずだ。僕は今でもシグマに、桜にいたかもしれない。ぶっちゃけ、僕達の取った行動はわざわざ地雷原に足を突っ込む行為だったと今からは思う。それでもmamiさんを放置しておくと周囲の人に迷惑がかかるために何とかするしかなかった。
 ギルドシグマのゼロさんにしても、ポールさんにしても、ジャックさんも、もちろん僕もいろんな意味で責任感はあったし、しかもお節介焼きでもあった。だからはた迷惑な人であるmamiさんを避けながらも何かにつけて世話をしていたのだ。俗にいう「バカ」だった。彼のことを完全に避け、ウォッチャーとして見守る……そんな身のこなしもできない人間たちであった。

 mamiさんが新人勧誘が構わなかったからか、Kさんはのびのびとスキル上げを行っていたようだ。彼女は戦士、Lizaはトレハンテイマー。修行方法が違うので行動は別々だったが楽しんでいたようだった。ジャックさんは他のネットゲームで貿易商をしていた。
 また、メンバー間で連絡がいつでも取れるようにどこかのBBSを借りて報告しあっていた。

 一度だけmamiさんが新人へのアドバイスをしたことがある。「Fは危険だ」「FはPKerがいっぱいいて怖いよ」「Fには行っちゃだめ」。
 当時の桜フェルッカはすでに廃れており、圏外で人に出会うなどAFが出る確率と同じくらいレアだった。とはいえ、堀師を何度もPKされたこともあるので、注意喚起自体は全うである。
 問題だったのは自己責任でFに行ってみることすら禁ずるmamiさんの極端さだった。
 さらにFを嫌がる発言を一方でしながら、もう一方では「Fなら殺す」と決め台詞を放っていたのだった(注:いや、マジでこの発言をしていた。作り話じゃなくてUOML時代に叫んでたんだぜ……。それもヘイブンで周囲にFTTBメンがいないと思われた時に。誰かとトラブったみたい。それ以降も見知らぬ人と喧嘩するときは「F来いやぁ」が口癖だと知ったorz)。勘弁してくれ。

 mamiさんは会話をしなければ変な人ではなかったので、ヘイブンでも会話するだけの知り合いは多かったようだ。もっともmamiさんの変人ぶりはヘイブン住民には知られていたらしく、無視するなどわざわざ喧嘩を売るような人もいないだろう。mamiさんは簡単に他人に話しかけることができ、僕は少し羨ましかった。
 一時期、桜のヘイブンにULTIMATE MUSYOKUという人物が滞在していた。どうも無限からやってきたとか色々言っていたが、わざとウザプレイをする対人家だと推測していた。mamiさんがポールさんに確認したには、飛鳥で有名だったPIT荒らしだそうな。ヘイブンの銀行前で「あ」を連打してログを流してみたり、ヘイブンに撒いてあったルーン店の店長になりすましてみたり。言動は怪しい以外の何者でもなかった。むろん当時の僕はこの手の人物が嫌いなほどだった。
 そんなULTIMATE MUSYOKU氏(以下ニートさん)が何の因果かFTTBに入ることとなった。それを聞いたときはジャックさんと相談してくれないことの怒りを叫び合っていた。僕たちはmamiさんに文句をいうものの、今後もギルドメンバー加入に対して一言も相談ないまま勝手に入隊させてしまう傾向は続いた。
 ニートさんがギルドに加入した時も、Lizaは彼もしくは彼女のことが嫌いだったため、避けていた。まともに口を聞いたことは何回あっただろう。

 ある時、ヘイブンにいるとニートさんから声をかけられた。
「お前を殺すwww」
 やることといったらパラライズを延々とかけてリーフブレードで叩くだけと、明らかに手加減をした動きだったが、当時のLizaは完全に混乱してしまった。
「次はKの番だwww」
 それを聞いたLizaは一端FTTBを自ら脱退し、その足でmamiさんにニートさんを除隊するよう伝えた。Lizaもジャックさんもギルド内の権限は何も与えられていなかった。mamiさんは一応ニートさんを即座に除隊した。今から思うと、一方的に僕の言い分だけ聞くのはいかがなものかと思う。よくも悪くもギルマスが彼であったからこそできた技だ。もっともギルマスが彼だったためにこんな事件が起こったのだが。mamiさんへの不満はあったものの、その時点ではジャックさんと密かに文句を言い合うだけで満足していた。

 事態が動いたのはジャックさんからのメッセージだったか。
 その頃、FTTBにも2、3人新人が入っていた。その1人にSさんがいる。復帰組らしい。現在の仕様では初心者も同然でUOAの導入を悩んでいたような人だった。
 そのSさんがニートさんからひどい暴言を吐かれたらしい。そのためにSさんがFTTBからもUOからも去るそうな。
 最終的に、ニートさんは除隊処分となったためSさんも戻ったのだが、メンバー加入など重要な決定を勝手に行うmamiさんへのギルドマスターとしての不信感が芽生えたのだった。
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