Tellurは、……現在色々物色中です。

感想文徒然

2011年8月24日  2011年8月24日 
†「仮面のメイドガイ&ゴルフ13」(赤衣丸歩郎、角川書店と講談社)  共に赤衣丸歩郎氏の作品であり、話が進むにつれ同じような内容になっている。ヒロインの乳ネタいじりとコスプレもどきだ。そのため、仮面のメイドガイは初期から読んでて愛着があるので今も惰性でも読もうと思えるが、ゴルフ13の方はたぶん読まなくなるだろう。特にゴルフ13はハーレムものとしても劣化コピー度が激しいし。  僕が仮面のメイドガイを好きだった理由はヒロインである富士原なえかいじりとしても楽しめるし、主人公であるメイドガイコガラシの壊れたドラえもんぷりも楽しめるからだ。……「ヒロイン」と「主人公」を逆にしたのはわざとだ。つまり、メイドものの癖に主人公(御主人様)を男性にした安易さに流されなかったのは見事だったし、メイドガイなるものを開発した割にはその系統を量産しなかったのも素晴らしかったと思う。前述の2人と地雷臭が漂いつつ仕事のできるメイドフブキとワトソン役の弟(マジで名前を失念w)の4人でやってるコントがすっごく面白かったのだ、初期は。最初から仮面のメイドガイは下ネタ要素があったものの、それはメイドガイの雄姿を見せる動機としての役割であった、あったのだが……。話が進むにつれてどんどん下ネタというかセクハラというか乳いじりが露骨になっていき、そっちがメインになりワンパターンになってしまった。なので仮面のメイドガイは富士原なえかが財閥を継承したところで終わりだと解釈している。  で、これに輪をかけて劣化しちゃったのがゴルフ13の方。タイトルからしてあの作品のパロディなので、内容がないとか設定がおかしいとか1話目でいきなり6人の聖女をゲットしてるのはストーリー的にどうよと言った感想は的外れだ。この作品は良くも悪くもノリが全てだから、評価軸としてはギャグとしてパロディ(特に近年流行りのハーレムラブコメのパロディだよね)としてどうなのか、だ。  結論としてはそこまで面白いものでもない。特に乳いじりは古屋兎丸氏が伝説の「π」が世に出ている以上それと比較されるし、エロネタ特化したいなら吉川英朗氏のマンガの方が相応しいと思う(正直下ネタマンガは好きじゃないけれどもね。というか赤衣氏のタッチはエロ向きじゃないと思っているせいか痛々しいな。最近の仮面のメイドガイにしても初期のハチャメチャギャグに戻ってほしい)。ギャグの大半がヒロインへのセクハラ&主人公へのお仕置きなんだけど、中途半端に男前な主人公のせいではっちゃけられてないからどうしても失速感が漂っている。ついでにヒロイン6人いてもメインであるフィーナ以外、ほとんど内面が描写されないので萌え要素も全くないしキャラクターの区分ができないのだ。だから……この感想を書いていて思ったけど本気でハーレムラブコメへの皮肉として描いてたりするのかもしれないな。主人公は葛藤とか何もなくセクハラに興じるし(何かアリスソフトのランスみたい)ヒロインは要素を組み合わせただけ。  まあ深読みしても意味はないけれど、とりあえずヒロインが6人いる必要ないとか誰が誰だかわからないとか粗が目についてしまうので切ってしまおう。ちなみに、女性陣はフィーナ・胸の大きい人・胸の小さい人(ドロテア。そんなタイトルのマンガがあったから覚えてる)・ガキンチョ・根暗・縄マスター・メイド・妹などと属性でしか認識できないや。 †「かりん」(影崎由那、角川書店)  血を吸う吸血鬼ではなくて、血を増やして注入する増血鬼。吸血鬼一家に生まれたくせに人間そのものの生活をしてしまう落ちこぼれ。この「増血鬼」という発想が全てであり、勝利は約束されたも同然。素晴らしすぎる。グーグル日本語変換でもリストに上がらない単語だけど、最近の吸血鬼モノの中ではトップクラスに面白かった。初期の正体を知られてはならない系の話から、中期のバカップル路線、後期のストーリーの全てが楽しめた。実はこの作品って物語の初期から主人公のカップリングは固まっててひたすらイチャイチャしてる話なんだよな。これが非常に可愛らしくてこれが萌えかと思いながら読んでいた。ちなみに主人公の果林は結構うじうじグダグダ系の性格してるから合わない人も出るかも。合わなければ今は亡き富士見ミスの「かりん増血記」(これすらグーグルで変換できない)を読めばいいかも。  ちなみに僕の評価は全て果林が可愛いってところにあるからストーリー重視で読むと粗が目立つ。特にプシュケーのアレはあと一歩が惜しかったという感じ。もう少し上手く設定できれば敵側の理由ももっともらしくなったのに。  増血鬼の設定は最大限生かされていたと思う。なぜ果林は昼間の生活を行えるのか、増血鬼とは何か、そして増血鬼(=人間)と吸血鬼は相入れるのか。最終的に果林に陽のもとを歩かせるために真紅一家が選択した方法は哀しいんだけれど非常に美しい終り方だった。まあ物語の途中から家族全員でのハッピーエンドフラグが何本も折られまくるので読者にとっては覚悟していたことだが。しかし冷静に考えるとあのラストシーンは果林が真紅一家から独り立ちできていないことを意味してるよね。もっと、例えば記憶を失っているものの大人になった果林が大人になった杏樹と友達のように出会うみたいな終り方だったら最高傑作になったと思う。  でも果林と健太のカップルが可愛いからどうでもいいの。 †「ふおんコネクト!」(ざら、芳文社)  萌え4コママンガを嫌う人の気持ちがわからない。楽しければそれでいいじゃん、と思ってしまう。そんな萌え4コマ嫌いが髪の毛を逆立てて怒りそうなマンガが「ふおんコネクト!」だ。  怒りポイント: ・キャラ造形がお約束 ・登場キャラの中に男性がいない。ちなみに僕はバレンタインイベントまで女子高だと思ってた ・ゆるい日常を描いただけ ・そもそもキャラクターの人間関係が分かりづらい。夕ちゃん先生と交流たちのつながりって何? ・主人公は……ふおんじゃなくて通果とか交流じゃない?  とまあ、かなり読んでてツッコミどころもあるのも確か。特にキャラクターの人間関係は極めてわかりづらく(というか、Wikipediaの解説に従って自分で図を書かないと頭に入らないくらい。たぶん、主題は母親の違う3人の女の子が擬似家族を作って成長する物語だろう。あれ、ふおんは? そんな感じでふおんが狂言回しというかいらない子状態だったのがひっかかった。思い出しても交流の母親との確執やと通果の成長しか心に残っていないのだ。トラブルメーカーは夕ちゃん先生がすでにいるしなあ。  でも明るい作風で楽しかったよ。少し前、芳文社でアニメ化されると聞いたときはてっきりこれ……はないな、人物関係がわかり辛すぎるからてっきり三者三葉だと思ってたんだけどな。蓋を開けてみればけいおんだった。今でも何でけいおんなのか理解出来ない。 †「まかまか」(美川べるの、角川書店)  ごめん、飽きた。美川氏のギャグは不条理系が多いので飽きるとつまらなく感じてしまう。新井理恵氏のぺけや吉田戦車氏の伝染るんです。など不条理系や勢い系(?)のギャグマンガは連載が終わった時に一気に読むのに限る。  単に僕が飽きっぽい性格だから読むのが嫌になっただけであり内容は非常に面白い。近年はやりの萌え系をネタにして一回り二回りさせたキャラを大量に出したシチュエーションコメディーだ。萌え系の観察眼は非常に正確で、それを逆手にとってギャグをするものだから非常に濃い。角川じゃなければできなかったと思われる。主人公からしてリア充嫌い、中二病と属性が続くんだもの……お腹いっぱいになるだろう。ヒロインの1人みさきちはいわゆる判子顔を皮肉ったとしか思えない造形だし。  まだまだ連載中らしい。 †「アカンプリス」(六道神士、少年画報社)  流行りの女装モノ。なんだけど、ホーリーブラウニーなどの黒さがないギャグテイストに仕上がっている。  お嬢様学校に形成されている訳あって女装した男子生徒だけの生徒会に入らされたヒロインの苦労と活躍を描く。ついでにラブコメ要素もあるよ、みたいな作品。六道神士氏の商業作はあらかた読んだけど、市立戦隊ダイテンジン→カイザーペンギンを終わらせてやったぜ、エクセルサーガ→次巻で終わるけど風呂敷広げ過ぎじゃない? 大丈夫か? でも面白い、ホーリーブラウニー→黒いお伽話だけどまとまった良作、アラハバキ→広げた風呂敷、デスレス→……?という中での小粒の良作的立ち位置だと思う。  女装モノの醍醐味は周りが気付いていないハラハラ感なのだが、この作品は周りは女装に気付いており自分たちは女装が完璧だと信じているギャップにある。ちなみに女装後の姿は筋肉が露出しまくりの姿。現実世界では女装するならもっと上手く変身すると思われるので、これもこれでファンタジー。まあ、だから安心して生徒会面々だけで行動でき、女装がバレる云々のドタバタも学校外部に対しての問題となる。ここらが上手いと感じた。しかも女装している(というか途中から自分が女性だと信じ込んでいる?)男子生徒と主人公であるヒロインがラブラブっぽい雰囲気になるのだから中々終わってやがる。筋肉が隆起した男性がセーター服を着たり女性物の水着を着るギャップが笑いどころ。  女装モノ(正統派じゃないけれど)を女性の視点から描いたってのは感心した。しかも真剣に女装をしてるんだからそれが笑える。そういや六道氏の作品の中でギャグが素直に笑えるのはかなり貴重だと思う。
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